gogo147

2023年3月に55歳で会社を早期退職したgogo147です。早期退職後の生活について雑記ブログとして始めました。

「食欲人」を読みました

ティーヴン・J・シンプソンとデイヴィッド・ローベンハイマーの「食欲人」を読みました。

Amazon.co.jp: 食欲人 eBook : デイヴィッド・ローベンハイマー, スティーヴン・J・シンプソン, 櫻井 祐子: 本

バッタなど昆虫や人間を含めた動物は、”栄養素が適切な割合になるように食物を摂取している”、”その割合はタンパク質の量が決めている”ということがキーメッセージかと思いますが、個人的に気になったのは、”タンパク質を取りすぎると寿命が短くなる”、”低たんぱく質・高炭水化物、繊維質が多めの食事が長寿”という点でした。

最近は、ごはんなど炭水化物を少なめ、タンパク質を多めを心がけていましたが、少し違っていたようです。

・バッタや動物は、栄養素が適切な割合になるように食物を摂取している。

・タンパク質への欲が摂食パターンを決めている。摂取するタンパク質のターゲット量があり、それを目指して食物を摂取する。

・タンパク質を取りすぎると、テロメアが短くなるのが早くなり、寿命が短くなる。

・長生きのためには、低たんぱく質・高炭水化物、繊維質が多めの食事がよい。高たんぱく質・低炭水化物のマウスは寿命が短い。

・ジャンクフードなど加工食品は、低タンパク質・高炭水化物のものが多く、ターゲットのタンパク質量を摂取するために、摂取する食物自体の量が多くなり肥満となる。

いろいろ目からうろこの内容が多かったですが、研究者がバッタやマウス、クモ、サル、人間の摂食状態を長期間に渡って観察し、それらのエビデンスに基づいて上記の結論を出しています。個人的な経験などによるダイエット本より説得力が高いと思います。

少ない炭水化物、タンパク質を多く取るダイエット法がありますが、これはターゲットとなるタンパク質を少ない食物量で摂取でき、食べる量自体が減ってカロリーが低くなって体重が減るだけということがわかります。さらに、高タンパク質・低炭水化物だと寿命が短くなるという、何のためにダイエットしているかわからなくなります。

ジャンクフードを食べすぎてしまう理由も記載されていますが、ジャンクフードは低タンパク質・高炭水化物で、含まれるタンパク質の割合が少ないので、ターゲットとなるタンパク質の量になるまで、多くの量を食べることになり、カロリーが増えて体重が増えていきます。

ジャンクフードを製造する企業もタンパク質への欲を利用しつつ、利益を増やすために低コストで多量に作ることができるジャンクフードを(タンパク質はコスト高)、より多くの量を食べてもらうため、広告を通して消費者に売り込むことになります。

企業が利益を求めるのは仕方がない面もありますが、それによって肥満になる人が増えるなど健康に影響が出るのであれば、消費者側がその裏にどんな仕組みがあるのかを知り、自分でコントロールすることが必要になります。食べるものは自分である程度選ぶことができるので。

本書もすすめていますが、加工した人工的なものを避け、肉、魚、乳製品、穀物、野菜、果物などの良質な食べ物をバランスよく適度に食べ、睡眠をしっかりとる規則正しい生活を送ることを心がけていきたいと思います。